コネチカット大学を中心とした臨床試験により、股関節骨折から回復途上の高齢女性において、運動プログラムと併せて局所用テストステロンゲルを使用することで、回復期に見られる典型的な腹部内臓脂肪の増加を抑制できる可能性が示された。研究チームは6か月間にわたり参加者を追跡し、画像診断を用いて身体組成を評価した。
加齢に伴い、体脂肪は皮膚の下から、糖尿病や心臓疾患などのリスクを高めることが知られている腹部の深部組織「内臓脂肪」へと移行する傾向がある。
コネチカット大学の運動学助教授であるジェイコブ・アープ氏は、性ホルモンがこの脂肪の再分布に影響を与えているようだと指摘する。
「男女ともに加齢に伴い、無害な領域から内臓脂肪組織へと脂肪が不健康に再分布していきます」とアープ氏は述べ、さらに「性ホルモンと体内の脂肪分布の間には直接的な関連がある」と加えた。
アープ氏らの研究チームは、股関節骨折後のリハビリテーションに局所用テストステロン療法を加えることで、脂肪分布にどのような影響があるかを調査した。この研究では、股関節骨折から回復途上の65歳以上の女性66名を追跡調査した。すべての参加者が体系的な運動プログラムを行い、そのうち1つのグループにはテストステロンゲルが投与された。
6か月後の身体組成スキャンによる追跡調査の結果、グループ間で全体的な体脂肪率に大きな差は見られなかったものの、脂肪の分布には違いが生じた。テストステロンゲルを使用したグループでは内臓脂肪レベルが低く抑えられていたのに対し、ホルモン投与を受けなかったグループでは内臓脂肪の増加が確認された。
この研究成果は『Obesity Pillars』誌に掲載された。研究者らは、ホルモン療法と運動を組み合わせることで、回復期における代謝の健康状態を改善できる可能性があると示唆しているが、その利点の裏付けやリスク評価には、より大規模な研究が必要であるとしている。