東京・調布市文化会館多々塚で、独特でシュールな世界観を持つ漫画家・つげ義春の作品展が開催中だ。88歳のつげ氏は長年調布に住み、2023年の同市を題材にした展覧会が大成功を収めた。この再構成版も連日多くの来場者を集めている。
つげ義春の作品展「漫画家・つげ義春が行ったところ」は、つげ氏が住んだり訪れたりした場所をテーマに、原画の複製や関連資料を展示している。1967年の作品「海辺の女景」では、ページ全体の複製が並べられている。また、調布周辺のマンガ内のシーンと現代の写真を比較した大型地図も展示の目玉だ。
漫画家、俳優、ビジュアルアーティストによるつげ作品へのエッセイも公開され、多様なクリエイターへの影響を示している。つげ氏は1960年代後半から1970年代にかけて、月刊マンガ誌「ガロ」に作品を発表した。1966年、水木しげる氏の「ゲゲゲの鬼太郎」のアシスタントとして調布に移り、中国料理店の2階を借りて住んだ。この部屋で見た夢が1968年の代表作「ねじ式」の着想源となった。その後、調布に住み続け、多摩川、慶應閣競輪場、多摩川住宅団地などを1960年代から1980年代の作品に取り入れた。
1987年に最後の作品を発表して以来、マンガを描いていないが、国内外で人気が高い。フランスでは作品全集が刊行され、2020年のアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞し、原画展も開催された。展覧会は3月22日まで無料で、午前10時から午後6時まで毎日開館している。