「ハルク」の異名を持つ攻撃的な緑のカナリアトカゲが、何百万年も共存してきた黄色やオレンジ色の個体を急速に追いやり、淘汰していることが研究で明らかになった。地中海全域のカナリアトカゲ(Podarcis muralis)の多くの個体群において、現在は白い喉を持つ個体のみが見られるようになっている。1万匹以上のトカゲを分析した研究により、この進化のダイナミクスの変化が明らかになった。
何百万年もの間、カナリアトカゲ(Podarcis muralis)の個体群は、喉の色が白、黄、オレンジの3つのタイプでバランスを保ってきた。それぞれのタイプは、縄張り争いや配偶者へのアピールといった独自の生存戦略を持ち、地中海地域全体での共存を支えてきた。ルンド大学の進化生物学教授トビアス・ウラー氏は、「何百万年もの間安定していた、複数の異なる色彩タイプの共存が、進化論的なごく短い期間で失われつつある様子を私たちは目の当たりにしています」と指摘している。