欧州連合(EU)が加盟国に対し、中東産ジェット燃料への依存を減らし、米国からの輸入拡大を検討するよう促す拘束力のない指針を準備していることが、計画に詳しい関係者のロイターへの証言で明らかになった。イランを巡る紛争により、ホルムズ海峡を経由するエネルギー供給が分断されているためである。
イランとの紛争が世界のエネルギー供給網を揺るがし続ける中、欧州の航空各社は、ジェット燃料の供給不足により夏の繁忙期の旅行に支障が出る可能性があると警告している。
ロイターによると、EUは来週、加盟国に対して中東産ジェット燃料への依存を削減し、米国からの輸入を拡大するよう推奨する拘束力のない提言を発表する予定である。この指針では、持続可能な航空燃料(SAF)や合成燃料の活用を含め、自給率を高めることで回復力を強化することが強調される見通しだ。
またロイターは、欧州はジェット燃料の約30%から40%を輸入に頼っており、その半分以上が中東産であるため、特にリスクにさらされていると報じている。欧州委員会の報道官はロイターに対し、供給の可用性が最大の懸念事項であると述べ、出荷の停滞が続く場合は、EUとしてジェット燃料の在庫を協調して放出することを検討する可能性があるとした。
ホルムズ海峡は依然として重要な焦点となっている。ロイターの報道によると、レバノンでの停戦合意を受けてイランは金曜日に海峡を再開したが、ドナルド・トランプ米大統領はテヘランとの合意に至るまで海上封鎖を維持すると表明している。再開についての質問に対し、欧州委員会の報道官は「様子を見よう」と述べ、安全な通航が維持されるかどうかの不透明感を示唆した。
ロイターの報道によれば、国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務総長は金曜日、ジェット燃料の不足により5月末までには欧州でフライトのキャンセルが発生し始める可能性があると警告した。
ロイターはさらに、一部の空港がホルムズ海峡を通じた出荷の混乱が続けば3週間以内に不足が生じる可能性があると警告していると伝えた。欧州委員会は、仮に同航路の封鎖が完全に解除されたとしても、供給の逼迫は続く可能性があるとの注意喚起を行う見通しである。同時に、EUの指針案では不足に伴う運用上の課題にも対処する予定であり、これには航空各社が直面するスロット(発着枠)規則や、燃料制約のある空港での給油を避けるために余分な燃料を積む「タンカリング」を抑制するための遵守義務などが含まれる見込みだ。