研究者らは、約1200年前のマヤの天文学者兼数学者の名前を、惑星軌道に関する計算とともに特定した。この発見は、グアテマラの遺跡に残された碑文によるものである。米州において、個人の名前が天文学的な業績と直接結びつけられた例はこれが初めてである。
「白い胸のキツネ」を意味するサク・タン・ワアックスという名前は、グアテマラのシュルトゥンにある「テキスト19」として知られる壁画に記されている。このテキストには、260日暦、365日の太陽年、584日の金星周期、780日の火星周期に関連するサイクルを概説した11個の象形文字が含まれている。この計算式は、金星の5周期分、すなわち2920日を合計したものであり、西暦781年11月7日を指している可能性が高い。
マサチューセッツ工科大学のフランコ・ロッシ氏が解読を主導した。同氏はこれを、マヤの先祖である天文学者兼数学者の名前が直接言及された初めての例であり、米州で記録された最古の名前であると説明している。
この壁画は、2010年に発掘が始まって以来、小さな石造建築物の中から発見された約50の下書きの一つである。研究者らは、様々な照明下で象形文字をスキャン・撮影し、後の時代のマヤの文書と比較検討した。
ロッシ氏は、この業績が古典期マヤ社会における知的貢献の重要性を示しており、政治的儀式や季節ごとの計画の立案を支えていた可能性があると指摘した。