NASAのアップグレードされた「コールド・アトム・ラボ(冷原子研究所)」が国際宇宙ステーションで運用を再開し、物質の量子状態に関する新たな研究が可能となった。同施設は絶対零度に近い温度でボース=アインシュタイン凝縮を生成する。
小型冷蔵庫ほどの大きさのこの研究所は、レーザーと磁場を用いて原子を華氏マイナス459度(セ氏マイナス273.15度)以下まで冷却する。4月11日、商業補給サービスミッションによって新しい科学モジュールが到着しており、これは2018年の設置以来4回目となる主要なアップグレードである。
微小重力環境のおかげで、研究者はより大きな量子波を長時間にわたって観測することが可能になった。現在、5つの国際チームが同施設を利用して基礎物理学の研究を行っている。
NASAジェット推進研究所でコールド・アトム・ラボのプロジェクトサイエンティストを務めるジェイソン・ウィリアムズ氏は、「極低温下では、物質は私たちが経験するあらゆる状態とは劇的に異なる挙動を示します」と述べている。
本プロジェクトはカリフォルニア工科大学が管理し、NASAの生物・物理科学部門が支援している。その目的は、将来の宇宙ミッションや地球上での応用に向けた量子技術の発展にある。