米連邦最高裁は4月29日、ルイジアナ州が設定した黒人が多数を占める選挙区を2つ含む選挙区割りについて、6対3の評決で人種に基づく違憲のゲリマンダーであるとの判決を下した。サミュエル・アリート判事は多数意見の中で、投票権法第2条の適用には人種的な影響だけでなく、意図的な差別があったことの証明が必要であると述べた。この「ルイジアナ対カレ」判決は、人種に基づく選挙区改定を制限するものであり、複数の州で新たな地図作成を促す可能性がある。
連邦最高裁は、保守派とリベラル派の対立軸で6対3の判決を下し、ルイジアナ州の人口の約3分の1を占める黒人住民のために、州議会が裁判所の勧告を受けて作成した2つの少数派優位選挙区を含む地図を無効とした。アリート判事は「連邦政府や州が人種に基づいて差別することを憲法が許容することはほぼない」と記し、上院法案8(SB8)における人種に基づいた境界線設定を、投票権法第2条の遵守という理由では正当化できないとした。この判決は投票権法第2条を維持しつつも、その適用範囲を差別的意図が立証されたケースに限定した。これにより、原告側は単なる結果だけでなく差別的意図の立証を求められることとなり、投票権の希薄化を争うことが困難となった。原告側の代理人エドワード・グライム弁護士は、これを「人種にとらわれない社会」に向けた一歩だと評した。判決から数時間後、フロリダ州の議員らは新たな選挙区地図を承認し、民主党の4議席が共和党に転じる可能性が出ている。ロン・デサンティス知事は、この判決を引き合いに出し、マイノリティの投票機会を保護する州憲法上の規定は無効だと主張した。これに対し民主党側は訴訟を辞さない構えであり、ラボン・ブレーシー・デイビス州上院議員は「権力の強奪だ」と非難した。エレナ・ケイガン判事は反対意見を出し、この判決は人種的に投票行動が分断された州において「投票権法第2条を骨抜きにするもの」であり、マイノリティの有権者が「選挙プロセスから排除される」恐れがあると警告した。トランプ前大統領はTruth Socialで「大きな勝利」と称賛し、アリート判事に謝意を示した。ニューヨーク・タイムズ紙の分析によれば、アラバマ、ジョージア、テネシー、ミシシッピなどの各州の共和党議員らは地図の再作成を示唆しており、2026年の中間選挙を控えた選挙区改定の攻防の中で、共和党が下院で最大12議席を上積みする可能性がある。チャック・シューマー上院民主党院内総務は、「すべての声が重要である」という民主主義の約束に背を向けるものだと厳しく批判した。