日本銀行は12月20日の会合で政策金利を約0.75%に引き上げました。この決定は、米国の関税政策と春闘賃上げの見通しを考慮したものです。主要銀行は預金金利と貸出金利を引き上げ、世帯に影響を与えます。
日本銀行(BOJ)は12月20日、政策金利を約0.75%に引き上げました。これは1月の0.50%引き上げ以来の変更で、30年ぶりに0.5%の壁を突破します。BOJ総裁の植田和夫氏は会見で、「賃金と物価が緩やかに上昇するメカニズムが維持される可能性が高い」と説明しました。
この決定の背景には、米トランプ政権の高関税措置の影響と、来春の春闘賃金交渉があります。BOJは関税の企業業績への影響を「限定的」と見なし、企業収益は高水準を維持すると判断。植田氏は「関税措置の影響を考慮しても、企業収益は全体として高い水準を維持すると予想される」と述べました。また、春闘では「今年同様に着実な賃上げが実施される可能性が高い」との見通しを示しました。
一方、円安の進行が懸念されます。金利引き上げにもかかわらず、ドル対円は東京で156.73-75円、ニューヨークで157.70円台まで弱含みました。11月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%上昇し、BOJの2%目標を44カ月連続で上回っています。NLIリサーチの上野津義氏は「これ以上の金利引き上げがなければ円安が続き、政府も緩やかな引き上げを承認せざるを得ない」と指摘。
主要銀行の対応も迅速です。MUFG銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の4行は、普通預金金利を2026年2月2日から0.3%(従来0.2%)に引き上げ、1993年以来の水準に達します。また、MUFGとみずほは短期プライムレートを2.125%(従来1.875%)に上げ、変動金利住宅ローンの80%に影響。住宅所有者は負担増となりますが、預金者は利益を得ます。
政府の反応は穏やかで、高市早苗首相はBOJの決定を尊重する姿勢です。補正予算承認直後の引き上げですが、成長志向政策との整合性を重視しています。