韓国銀行(中央銀行)は4月10日、金融通貨委員会を開き、政策金利を2.5%で据え置くことを全会一致で決定した。2025年7月以降、7会合連続の据え置きとなる。中東情勢の悪化による不確実性が高まっており、インフレリスクの拡大や景気減速、ウォン安への懸念が背景にある。李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、緊張が緩和されればウォンは急速に持ち直す可能性があるとの見解を示した。次回の政策会合は5月28日に予定されている。
韓国銀行の金融通貨委員会は4月10日、ソウルで会合を開き、市場の予想通り政策金利を2.5%に据え置くことを全会一致で決定した。2025年7月以降、9カ月にわたり7会合連続で据え置かれたことになる。同銀は景気支援のため、2024年10月から計1.00%の利下げを実施していた。
今回の決定は、中東紛争の激化がもたらす両面のリスクを反映したものだ。具体的には、インフレの上振れ圧力、景気の下振れリスク、そして金融・為替市場のボラティリティが懸念されている。中東情勢は2月下旬、米・イスラエルによるイランへの攻撃をきっかけに急激に悪化し、ホルムズ海峡が実質的に封鎖されたことで、3月の北海ブレント原油価格は1バレル=100ドルを超え、前月比で60%以上上昇した。3月の消費者物価指数は前年同月比2.2%上昇し、2月の2.0%から加速。通年のインフレ率は当初の予想であった2.2%を上回る見通しとなっている。韓国ウォンは対ドルで一時1,500ウォン台まで下落し、2009年以来の安値を記録したが、米・イラン間の2週間の停戦合意を受けて一部回復している。
韓国銀行は、半導体輸出の堅調さや26.2兆ウォン規模の補正予算編成があるものの、2026年の経済成長率見通しを従来の2%から下方修正した。OECDも中東危機を理由に、韓国の2026年の成長率予測を2.1%から1.7%に引き下げている。会合で議長を務めた李昌鏞総裁は「今日の決定は単なる判断の先送りではなく、中東情勢の展開をより慎重に見極める必要があることを反映している」と述べた。
李総裁は、現時点でスタグフレーションのリスクは低いものの予測困難であるとし、十分な外貨流動性が確保されているため、事態が沈静化すればウォンは「かなり速やかに」紛争前の水準に戻る可能性があると指摘した。また、規制にもかかわらずソウルや京畿道の住宅価格は上昇を続けており、首都圏への一極集中を是正すべきとの声もあがっている。なお、李総裁の任期は4月20日に満了し、後任には申鉉松(シン・ヒョンソン)氏が指名されている。