ワシントン大学の研究チームは、ピュージェット湾周辺で捕獲されたコヨーテの3分の1以上から寄生虫「エキノコックス(Echinococcus multilocularis)」を検出したと報告しました。米本土西海岸の野生動物からこの寄生虫が確認されたのは今回が初めてです。
ワシントン大学の研究チームは、飼い犬や稀に人間にも感染する寄生虫が、ワシントン州西部の野生のコヨーテから検出されたと発表しました。
2026年3月24日付の医学誌『PLOS Neglected Tropical Diseases』に掲載された研究では、ピュージェット湾地域のコヨーテ100頭を調査した結果、そのうち37頭からエキノコックスが検出されました。
ワシントン大学が発表した研究概要の中で、主執筆者のヤスミン・ヘンタティ氏は「この寄生虫は北米全域に広がっており、懸念されています。犬の感染事例は多く報告されており、一部の人への感染例も確認されています。我々の調査対象となったコヨーテの3分の1から検出された事実は驚きです。なぜなら、今年初めまで太平洋岸北西部ではどこからも見つかっていなかったからです」と述べています。
この寄生虫の卵を誤って摂取すると、胞状エキノコックス症という疾患を引き起こす可能性があります。米疾病対策センター(CDC)によると、この病気は肝臓などに腫瘍のような嚢胞がゆっくりと形成されるのが特徴で、症状が出るまでに数年かかることもあります。
ワシントン大学の研究チームは、米国でのヒトの感染例はこれまで少なく、米西海岸では報告されていないとしています。
共著者のギレルメ・ヴェロカイ氏は、ペットの飼い主に対し、ペットがネズミを狩ったり、死骸を漁ったりしないよう注意すること、また寄生虫の検査や必要に応じた駆虫薬の投与など、日常的な獣医療を受けることでリスクを低減するよう呼びかけています。