『Half-Life』や『Portal』のライターであるエリック・ウォルパウ氏は、Valve内の小規模チームがゲームのテキストや音声を生成するAIツールの実験を行っていることを明らかにした。同氏はAIがクリエイティブな執筆活動に取って代わることへの懸念を否定しつつ、プレイヤーの行動に対してキャラクターが動的に反応するための可能性を指摘した。また、これは会社全体の方針ではないと強調している。
『Half-Life』や『Portal』の作品で知られるエリック・ウォルパウ氏は、最近出演したポッドキャスト「MinnMax」の中で、Valveによる生成AIへの試験的な取り組みについて語った。同氏は、会社全体ではなくスタジオ内のごく少人数のグループが、テキストや音声生成におけるAIの応用を探るために技術を試していることを明らかにした。ウォルパウ氏は「我々が取り組んでいることの一つとして、AI関連の調査がある。ただし『我々』と言ってもValve全体ではなく、Valve内の少人数のグループのことだ」と述べた。2019年に短い休止期間を経て非常勤としてValveに復帰したウォルパウ氏は、現在のAIの限界を指摘し、AIが人間の創造性に取って代わることへの懸念はほとんどないとした。「実際に試してみたが、現時点でのAIの文章力はかなり低いため、AIがクリエイティブな執筆活動を奪うとは心配していない」と語っている。その一方で、ゲームライティング、特にプレイヤーが引き起こす予測不能な状況に対してキャラクターがリアルタイムで反応できるようになる点にはAIの可能性を見出している。「AIを検討する価値がある唯一の領域はゲームライティングだ」とウォルパウ氏は説明する。同氏は『Grand Theft Auto』のようなシナリオを例に挙げ、プレイヤーの「どんな常軌を逸した発言」に対してもキャラクターが適切に適応する「相棒」のような役割をAIが果たせるのではないかと展望を語った。「この特定のケースにおいて、私はAIに非常に興味がある。どんなに多くの人間を投入しても不可能だったことが、AIを使えば可能になるだろう」と付け加えた。ウォルパウ氏は、これらの取り組みが試験的な性質のものであることを繰り返し強調し、Valveとしての公式なイニシアチブや、『Half-Life 3』や『Portal 3』といった未発表プロジェクトとは無関係であることを明言した。「これはValveが組織的に行っていることではないという点を、広く知っておいてほしい。実際、会社側も今この話で初めて知ったかもしれない!」と同氏は冗談を交えて語った。同氏によれば、焦点はコスト削減や人員削減ではなく、プレイヤーの体験を向上させることにあるという。