俳優の渡辺謙氏が約12年間支援してきた宮城県気仙沼市のK-portカフェが、日曜日に閉店する。この港町は2011年の東日本大震災による津波で大きな被害を受けた地域だ。渡辺氏は今後も新たな形で支援を続けたいと語っている。
宮城県気仙沼市で、俳優の渡辺謙氏が支援したK-portカフェが12年間の営業を終える。カフェは2011年3月の東日本大震災津波から約6カ月後、渡辺氏が魚卸売りの安藤隆二氏(60)と出会い、支援を決意したのがきっかけだ。安藤氏の再建ビジョンに感動した渡辺氏は、カフェのオーナーを務めることになった。
カフェは2013年11月に気仙沼港近くでオープン。「K」は気仙沼、渡辺氏の名、こころ(心)、きずな(絆)を表す。渡辺氏は約2カ月に1回のペースで訪れ、顧客に食事を運んだりテーブルを片付けたりしたほか、ほぼ毎日手書きのファックスメッセージを送っていた。
土曜日には開店前から長蛇の列ができ、渡辺氏が客を出迎え、席に案内し、写真撮影やサインに応じた。常連の大家博さん(75)は「このカフェを通じて渡辺さんとつながれた。心の支えだった」と惜しんだ。
安藤氏は「渡辺さんは津波で全てを失った町に最初に手を差し伸べてくれた一人」と感謝を述べた。渡辺氏は先月、SNSで閉店を発表。「年齢を考えると、この港町との関わり方をずっと考えていた」と語り、「若い世代がこの建物と精神を引き継ぎ、新しいことを始めてほしい」と希望を述べた。66歳の渡辺氏は「気仙沼とのつながりを続けたい。止められるまで」と笑顔で話した。
このカフェは地域の明るいシンボルとして、復興を支えてきた。