東京の老舗菓子店銀座菊乃屋は、伝統的なモチーフを取り入れた魅力的な和菓子を提供している。五代目店主の井田裕二氏は、遊び心を加えながら多様な要素を組み合わせ、顧客に喜びをもたらす商品を追求している。
銀座菊乃屋は1890年に創業し、昨年135周年を迎えた老舗である。五代目店主の井田裕二氏(50)は、「さまざまな要素を組み合わせつつ、遊び心を加えています」と語る。同店の看板商品「吹き寄せ」は、干菓子「干菓子」に着想を得ており、富の蓄積を願う意味を込めている。
特別選抜缶「徳選罐」には、中央に富士山型の和三盆糖菓子を置き、周囲を虹のように色とりどりの金平糖で囲むデザインが施されている。季節ごとの金属缶には、春は桜形の和三盆、夏は星形の菓子、年末年始は干支をテーマにしたものが登場する。
和菓子クッキーは北海道産小麦粉と千葉県産卵を使用し、バターを省くことで軽い食感を実現。白ごまや抹茶など10種のフレーバーがある。缶のモチーフは三代目店主で井田氏の祖父である弘樹氏が描き、打出の小槌や江戸時代の旅支度、伝統的な笠などを含む。「一部のお客様は小物入れとして使っています。このデザインで菊乃屋を思い出してもらえる」と井田氏は述べる。
贈り物として人気で、メッセージを添えることが可能。2022年度の日本お土産大賞を受賞した。同店は千葉県に専用工場を構え、生産性と品質を向上。オンライン販売を強化し、腐りやすい和菓子から吹き寄せへシフトした。
店内限定の揚げ饅頭はマカダミアナッツをまぶし、父親の常道氏がオーストラリア訪問後に開発。外国人に親しみやすいよう工夫し、酒に合うと評判だ。月ごとの和菓子作り教室も開催し、顧客とのつながりを深めている。
「贈る人も受け取る人も幸せになる和菓子を追求したい」と井田氏は意気込む。