江戸時代創業の菓子店、東京の寺院で伝統駄菓子を販売

東京の雑司ヶ谷鬼子母神堂の静かな境内にある神沢口屋は、1781年に創業した菓子店だ。85歳の店主、内山正代さんは13代目として36年前から店を切り盛りし、伝統的な駄菓子を提供し続けている。価格高騰の課題を抱えつつも、彼女は「金では買えない喜びがある」と語る。

雑司ヶ谷鬼子母神堂は、350年以上前に創建された、東京中心部とは思えない緑豊かな寺院で、安産の神として信仰されている。最寄りの鬼子母神前駅から短い散策路で到着する境内の一角に、神沢口屋の古い木造店舗が溶け込んでいる。この店は江戸時代中期の1781年に菓子店として創業し、現在は駄菓子を中心とした懐かしいお菓子を扱う。

店主の内山正代さんは85歳で、10歳頃から店を手伝い始めた。幼い頃、売れ残りの駄菓子を探して食べるのが楽しみだったと振り返る。東京の会社員生活を経て、家族の要請で店を引き継ぎ、29歳で結婚後、半世紀にわたり家事と店業を両立してきた。養母の死去から36年前に13代目となった。

店舗の建物は大学研究者により江戸時代後期の建造と判明し、戦災を免れ、修繕のみでほぼ原形を保つ。江戸期に封建領主への敬意から生まれた、座って接客する空間も特徴だ。桐製の100年以上前の箱の上に、色とりどりの駄菓子が並ぶ。創業時の千歳飴や柚子菓子は職人の死去で入手不可となったが、フガシ小麦菓子、膨らんだ米菓子、チョコレート、塩辛いスナックなど約80種を揃える。

仕入れ値の上昇が経営を圧迫する中、内山さんは「客の挨拶のような、金では買えない喜びがある。この店を生きている限り続けたい」と話す。住所は東京都豊島区雑司が谷3-15-20(雑司ヶ谷鬼子母神堂内)。東京メトロ副都心線雑司が谷駅から徒歩5分、JR池袋駅東口から15分。営業は午前9時から午後4時半、不定休。

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