ウォーリック大学の研究チームは、細菌が特定のヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤化合物の複数のバージョンを確実に生成する仕組みを特定したと報告した。この発見は、天然由来の化合物を基にした新たな創薬候補の開発に貢献する可能性があるとしている。
ウォーリック大学の研究チームは、細菌がどのようにして環状「デプシペプチド」HDAC阻害剤ファミリーの複数のバリアントを生成するかを明らかにした。このグループには、T細胞リンパ腫の治療に使用されるFDA承認薬のロミデプシン(Istodax)が含まれている。
本研究において、研究チームは「ドッキングドメイン」と呼ばれる小さな分子領域が、これらの化合物の合成に関与する異なる酵素システム間をつなぐコネクターとして機能していることを報告した。この接続システムにより、細菌は組み立てラインの精度を維持しながら、関連する多様な分子を生成できるという。
筆頭著者のマンロ・パスモア博士は、酵素コンポーネントがどのように連携しているかという長年の疑問に対し、今回の成果が「ついにそのコードを解読した」と述べている。共著者のグレッグ・チャリス教授は、この知見は臨床使用に適した特性を持つ、すなわち選択性が向上し副作用が低減された新たな候補物質を生み出すための「青写真」を提供するものだと語った。
ウォーリック大学の発表によると、今回の研究はデプシペプチドHDAC阻害剤に焦点を当てており、Pseudomonas chlororaphis subsp. pisciumにおけるFR-901375の生合成遺伝子クラスターの特定を報告している。研究チームは、バイオインフォマティクスデータベース検索や遺伝子欠損実験など、計算と実験を組み合わせたアプローチを用いて、この経路の主要な要素を検証したと説明している。
この研究は『Nature Communications』に「Molecular basis for depsipeptide HDAC inhibitor combinatorial biosynthesis(デプシペプチドHDAC阻害剤のコンビナトリアル生合成の分子基盤)」というタイトルで掲載された。