オーフス大学の研究チームは、「Wegovy」などの治療薬で模倣されているホルモン「GLP-1」が、炎症性関節炎患者の関節液中に存在するものの、その濃度は極めて低いことを報告した。『The Lancet Rheumatology』誌に掲載されたこの研究結果は、GLP-1製剤が将来的に関節の炎症に対して直接的な効果をもたらす可能性を示唆しているが、研究者らは治療としての有効性を証明するには臨床試験が必要であると述べている。
オーフス大学の研究チームは、関節リウマチや脊椎関節炎を含む炎症性関節炎患者から採取した、血液と滑液(関節液)のペアサンプルを分析した。
研究者らによると、測定の結果、体内で自然に生成されるGLP-1は滑液中にごく微量しか存在しないことが明らかになった。また、関節液中のGLP-1濃度は血中の循環濃度と密接に関連しており、関節に到達するGLP-1の量は血中の濃度に大きく依存していることが示唆された。
研究チームは、今回の研究は関節炎患者の滑液中から初めて直接的にGLP-1を検出したものであり、自然な関節内のホルモン濃度をはるかに上回る用量で投与されるGLP-1製剤が、関節内部の炎症に影響を及ぼしうるかどうかを調査するための生物学的な根拠になると主張した。
しかし、研究者らはこの研究がGLP-1製剤による関節炎治療の効果を証明するものではないと注意を促しており、今後、こうした薬剤が十分な量で関節に到達し、関節の炎症や症状を有意に軽減できるかどうかを判断するには、さらなる臨床研究が必要であると述べている。