「PLOS Climate」誌に掲載された研究によると、米国の温暖化傾向は州ごとに、また平均気温を見るか極端な気温を見るかによって大きく異なることが報告された。研究チームは1950年から2021年までの米本土48州のデータを分析し、平均気温で統計的に有意な上昇が見られたのは27州であったのに対し、西部の酷暑や北部の冬の最低気温の上昇など、気温分布の一部で温暖化が確認されたのは41州にのぼることを明らかにした。
スペインのサラゴサ大学のマリア・ドロレス・ガデア・リバス氏とカルロス3世大学のヘスス・ゴンザロ氏は、1950年から2021年までの米本土48州の気温記録を分析し、平均気温のみに注目することは地域的な重要な変化を覆い隠す可能性があると指摘した。
「PLOS」誌による研究の要約によれば、研究チームは州ごとの平均気温データと州ごとに2万6000件以上の毎日の気温観測値を使用し、平均気温の変化だけでなく、地域で経験される気温全域にわたる変化を評価した。
その結果、パッチワークのような複雑なパターンが浮かび上がった。調査期間中に平均気温で統計的に有意な上昇を示したのは米本土の約55%にあたる27州のみであった。対照的に、約84%にあたる41州では、気温分布の少なくとも一部で温暖化が確認された。この要約では、西海岸沿いでの年間の極端な高温や、多くの北部州での最低気温の上昇など、地域ごとの異なる特徴的な兆候が例として挙げられている。
著者らは、こうした極端な気温の変化は農業や公衆衛生を含む日常生活への影響に関わり、地域社会が気候リスクをどのように認識し、地元の対策をどのように設計するかに影響を与える可能性があると述べている。
研究の要約の中で著者らは次のように記している。「平均気温を超えて詳細を見ることで、平均的な温暖化が統計的に有意ではない場合でも、米国のほとんどの州が気温分布の特定の領域において温暖化していることを示した。これは、米国全土において気候変動がどのように経験されているかという点に、強い地域的不平等があることを明らかにしている。」
また、彼らは、同じ分析手法を降水パターンや海面水位の変化など、他の気候指標にも適用できる可能性を指摘している。