大阪大学の研究者らが、高血糖が持続すると唾液に糖が移行し、虫歯のリスクを高めることを発見した。約60人の糖尿病患者と非患者を対象とした調査で、血糖値が高い人は唾液中のグルコースとフルクトースが増え、虫歯や歯垢の発生が関連付けられた。
大阪大学の研究チームは、糖尿病やその他の要因による持続的な高血糖が、血中の糖が唾液に移行することで虫歯のリスクを高めることを明らかにした。講師の坂中明人氏が率いるチームは、約60人の糖尿病患者と非患者を対象に、血糖が口腔健康に与える影響を調べた。彼らは唾液腺から新鮮に分泌された腺唾液を採取し、血由来の糖と代謝物の動きを分析した。
結果、高血糖の人は血から唾液へのグルコースとフルクトースの移行が増え、虫歯や歯垢の発生が顕著だった。歯垢の分析では、虫歯を引き起こす細菌が増加し、口腔健康を維持する細菌が減少した。口腔マイクロバイオームは糖を分解し酸を産生しやすくなり、歯の腐食を促進する。
一方、入院中の糖尿病患者で血糖をコントロールすると、唾液中の糖が減少し、口腔内の細菌バランスが改善した。虫歯関連細菌が減少し、健康的な細菌が増加した。これは歯科治療なしで達成され、血糖管理が口腔健康の向上に寄与したことを示す。
「血糖値が虫歯に影響することを発見した」と坂中氏は述べた。「唾液を通じて供給される糖の量と、健康な人への影響をさらに調べたい」。この研究は昨年末、国際誌『Microbiome』に掲載された。