北グリーンランドに位置し、ルクセンブルクほどの面積を持つ氷塊「プルドー・ドーム」で掘削調査を行った科学者らは、現在より3〜5℃気温が高かった完新世初期の6000〜8200年前に、この氷塊が完全に融解していたことを突き止めた。Nature Geoscienceに掲載された2023年の「GreenDrill」プロジェクトによる堆積物の年代測定結果は、人為的な気候変動が海面上昇にもたらすリスクについて警鐘を鳴らしている。
バッファロー大学のジェイソン・ブライナー氏とコロンビア大学ラモント・ドハティ地球観測研究所のヨルグ・シェーファー氏が共同主導するGreenDrillプロジェクトのチームは、2023年にかつてのキャンプ・センチュリー基地に近いプルドー・ドームの頂上付近を1669フィート(500メートル)掘削した。採取された7メートルの堆積物と岩盤のコアに対し、ルミネッセンス(赤外線)年代測定を行った結果、地表面が最後に日光にさらされたのは6000〜8200年前であることが判明した。これは、ルクセンブルクに匹敵する大きさのこのドームが、現在より3〜5℃夏が暖かかった完新世初期に完全に消失していたことを裏付けている。
現在ケンタッキー大学に所属する筆頭著者のケイレブ・ウォルコット=ジョージ氏は、この場所が過去に消失していたという事実は、氷床の脆弱性を浮き彫りにしていると指摘する。「これは、私たちが懸念していた通り、氷床が比較的小さな気温上昇に対しても非常に敏感であることを示す直接的な証拠です」。ブライナー氏は、「当時の自然による穏やかな気候変動でさえプルドー・ドームを融解させ、数千年にわたって氷がない状態を維持したことを考えると、現在の人間活動による気候変動によって再び氷が後退し始めるのは時間の問題かもしれない」と付け加えた。シェーファー氏は海面上昇への洞察について、「氷床の下から採取された岩石や堆積物は、氷床の縁のうちどこが最も脆弱であるかを直接教えてくれます」と強調した。
全米科学財団(NSF)の支援を受け、米国の複数の大学が関与するGreenDrillは、この遠隔地における氷床下の堆積物を標的としている。今回の発見は、1966年のキャンプ・センチュリーのコア試料が約40万年前に北西グリーンランドが無氷状態であったことを示し、1993年のサミット・ステーションの試料が約110万年前に氷床が完全に融解していたことを示した先行研究と一致する。調査に関与していない専門家であるノースウェスタン大学のヤロー・アクセルフォード氏もこの感受性を肯定し、エクセター大学のエドワード・ガッソン氏は、この知見が表面融解モデルの精度向上につながるだろうと述べている。このような融解は今世紀中に世界的な海面を数十センチから1メートル上昇させる可能性があり、温暖化の下でどの縁から氷が失われていくのかという議論に応えるものとなる。また、北極海氷の減少によってこの傾向が加速する可能性もある。
遠征隊は掘削作業の途中で発生した亀裂により作業停止の危機に直面したが、土壇場での機材交換によりこれを乗り越えた。ウォルコット=ジョージ氏は、過去に消失した歴史を持つこの広大な氷を目の当たりにし、謙虚な気持ちになったと語った。GreenDrillは、今後も脆弱性の手がかりと古代の環境を明らかにするため、サンプルのさらなる分析を予定している。