米連邦地方裁判所は、広告主が共謀してプラットフォームをボイコットしたとするXの反トラスト法(独占禁止法)訴訟を、再提訴を認めない形で棄却した。ジェーン・ボイル判事は、反トラスト法の申し立てに必要な消費者への不利益をXが示せなかったと判断した。この決定は、Xのコンテンツモデレーションに対する懸念を理由に、広告主が広告出稿を取りやめたことを受けたもの。
木曜日、テキサス州北部地区を担当する米連邦地方裁判所のジェーン・J・ボイル判事は、X社(旧Twitter)が大手広告主を相手取り起こしていた訴訟を棄却し、広告主による広告の一時停止の判断は反トラスト法に違反していないとの判決を下した。Xは、イーロン・マスク氏による買収と2022年のコンテンツモデレーション方針の変更を受け、世界広告主連盟(WFA)の「責任あるメディアのためのグローバルアライアンス(GARM)」のメンバーが結託してボイコットしたと非難していた。被告には、シェル、ネスレ、コルゲート、マーズ、Twitch、レゴなどの企業が含まれており、これらの企業は、緩和されたモデレーション規則の下でヘイトスピーチが増加しているとの報告を受け、ブランドの安全性を懸念したと主張している。広告主は広告掲載の共同基準を執行するためにGARMを結成し、基準が満たされない場合に協調した措置を取ることを示唆することでプラットフォームに対する影響力を行使してきた。マスク氏はTwitter買収後にGARMから警告を受け、面談も行ったがボイコットは続いた。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、これにより2023年初頭にはXの収益が最大59%減少した。ボイル判事は意見書の中で、「主張された共謀の性質そのものが反トラスト法上の請求として成立しておらず、裁判所として本件を棄却処分とすることに躊躇はない」と述べている。同判事は、反トラスト法上の損害とは単なる競合他社への被害ではなく、消費者への害でなければならないと強調し、収益減がプラットフォームの改善を阻害したとするXの主張は不十分であると指摘した。さらに同判事は、Xが初期段階で求めた広範な証拠開示について、ボイコットの具体的事実ではなくGARMの全般的な関与に焦点を当てた「フィッシング調査(根拠のない情報収集)」であると批判した。広告主側は、それぞれの判断はブランドの安全性に関する個別の評価に基づく独立したものだと主張していた。今回の判決は再提訴を禁じるものであり、Xがメディア・マターズ(Media Matters)に対して起こしている別の訴訟にも影響を与える可能性があるが、マスク氏からのコメントは出ていない。なお、GARMは関連する訴訟の渦中にある2024年に活動を停止している。