『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン(British Journal of Sports Medicine)』誌に掲載された研究報告によると、米国成人147,374人を最長30年間にわたって追跡調査した分析の結果、週90〜120分の筋力(レジスタンス)トレーニングを行うことが、長期的な死亡リスクの低下と最も強く関連していることがわかりました。また、筋力トレーニングと有酸素運動を組み合わせた場合に、最も大きな効果が得られることも明らかになりました。
米国の長期健康コホートを分析した研究チームは、週に適度な量の筋力(レジスタンス)トレーニングを行うことが、長期間にわたる死亡リスクの低下に関連していると報告しました。
この分析は、3つの前向き研究(Health Professionals Follow-up Study:1992〜2022年、Nurses’ Health Study:2002〜2021年、Nurses’ Health Study II:2003〜2021年)のデータに基づいたもので、開始時の平均年齢54歳の参加者147,374人を対象としています。参加者は2年ごとにアンケート調査を受け、自身の筋力トレーニングと有酸素運動の習慣を報告しました。
他の要因を調整した結果、週に平均90〜119分の筋力トレーニングを行った人は、全く行わなかった人に比べて全死因による死亡リスクが13%低いことがわかりました。また、この範囲の運動量は、心血管疾患による死亡リスクを19%、神経疾患による死亡リスクを27%低下させることにも関連していました。
研究チームによると、週に120分を超えて筋力トレーニングを行っても、全死亡率の低下において追加的な利益は認められませんでした。一方、がんによる死亡率については異なる傾向が見られ、運動量が少ない方がより明確な減少が見られました。具体的には、週に1〜29分の運動でがん死亡リスクが21%低下し、30〜59分の運動で18%低下しました。
筋力トレーニングを有酸素運動と併せて評価したところ、十分な有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたグループで、全死亡リスクが最も低くなりました。共同分析では、週に45 MET-時間以上の有酸素運動を行った参加者は、報告された筋力トレーニングの量にかかわらず、死亡リスクが53%から58%低いことが示されました。
著者らは、これらの知見が自己申告による運動習慣に基づいた観察研究から得られたものであるため、筋力トレーニングが死亡リスク低下の直接的な原因であると証明するものではないと注意を促しています。その上で、データは疾患によって異なる「用量反応」パターンがあることを示唆しており、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることを推奨する根拠になると結論付けています。