米連邦最高裁は2026年4月29日、「ルイジアナ州対カレ(Louisiana v. Callais)」裁判において、同州の連邦下院選挙区地図(SB8)は人種を不当に利用した「人種的ゲリマンダー」であり違憲であるとする判決を6対3で下した。裁判所は、投票権法は州に対して黒人が多数を占める選挙区を新たに追加することを義務付けていないと結論付けた。民主党のラファエル・ウォーノック上院議員(ジョージア州選出)はこの判決を「極めて壊滅的な打撃」と評し、2026年の中間選挙を控え、南部諸州で選挙区割りを見直す争いが加速する可能性があると警告した。
今回の決定の争点は、投票権法第2条への準拠を理由に、州が選挙区割りにおいて人種を考慮することがどの程度まで正当化されるかという点であった。多数意見は、同法第2条は黒人が多数を占める第2の選挙区の設置を義務付けていないため、ルイジアナ州には人種を考慮する正当な根拠がなかったと結論付け、SB8を違憲な人種的ゲリマンダーと判断した。
この判決の波紋はルイジアナ州にとどまらず広がっている。政治・法律の専門家らは、今回の決定により、投票権法に基づき地図が争われている南部諸州で新たな訴訟や選挙区割り見直しの動きが誘発され、2026年の選挙を前に複数の連邦下院選挙区の構成に影響が出る可能性があると指摘している。
判決の支持者は、今回の決定が選挙区割りにおける「人種中立的」なアプローチを強化するものだと主張する一方、批判者は、マイノリティの投票権を保護するための投票権法の数少ない手段の一つを弱体化させるものだと反論している。ウォーノック議員はCBSニュースに対し、最高裁の決定は選挙区割りの「軍拡競争」を激化させる可能性があり、有色人種のコミュニティが連邦議会における代表権を失うリスクがあると語った。