Journal of the American College of Cardiology(JACC)に掲載された無作為化比較試験によると、ステージ1の高血圧症の成人を対象に、8つの動作からなる中国の心身運動「八段錦」を実践してもらったところ、3カ月間で収縮期血圧に緩やかではあるが測定可能な低下が見られ、その効果は1年後も維持された。この結果は早歩きと同等の効果であることが示されている。
Journal of the American College of Cardiology(JACC)に掲載された大規模な無作為化臨床試験により、ゆっくりとした動き、呼吸のコントロール、瞑想的な集中を組み合わせた中国の伝統的な運動が、早歩きと同程度の血圧低下効果をもたらすことが明らかになった。
研究チームは、中国の7つの地域に住む40歳以上の成人216名を追跡調査した。被験者は、ACC/AHA(米国心臓病学会/米国心臓協会)のガイドラインでステージ1の高血圧症に分類される、基準収縮期血圧130~139 mm Hgの成人である。参加者は52週間の介入期間中、「八段錦」、「早歩き」、「自己管理による運動」の3つのグループに無作為に割り当てられた。
週に5回八段錦を実践したグループは、自己管理による運動グループと比較して、12週間後の24時間自由行動下収縮期血圧が約3 mm Hg、診察室での収縮期血圧が約5 mm Hg大きく低下した。この差は52週間後も同様に維持された。
また、本試験では、八段錦による血圧低下効果と安全性は、1年後において早歩きと同等であったと報告されている。研究者らは、この血圧低下幅は一部の第一選択の降圧薬で見られる範囲内のものであると述べているが、本研究は薬物療法ではなく運動介入の効果を評価したものである。
研究の上席著者であるJing Li氏は、今回の研究結果発表に際して、「八段錦はそのシンプルさと安全性、そして長期的な継続のしやすさから、血圧を下げようとしている人々にとって、効果的で利用しやすく、かつ拡張性のあるライフスタイル介入として導入可能である」と述べている。