米国がん研究会議(AACR)の年次総会で発表された南カリフォルニア大学(USC)ノリス包括がんセンターの予備的研究によると、50歳未満で肺がんと診断された非喫煙者は、全米平均と比較して果物、野菜、全粒穀物の摂取量が多く、健康的な食事指数(HEI)の総合スコアも高いことが明らかになった。研究チームは、この結果が食事と肺がんの因果関係を証明するものではないと強調し、考えられる説明として農薬などの環境曝露が関与している可能性を指摘しており、この仮説については直接的な検証が必要であるとしている。
USCケック医学部の一部であるUSCノリス包括がんセンターの研究チームは、「若年肺がん疫学プロジェクト」において、50歳未満で肺がんと診断された187名の調査データを分析した。
参加者の大半は喫煙経験がないと回答しており、このグループの肺がんは、喫煙に関連するものとは生物学的に異なる性質を持つことが示された。また、本研究は、40歳未満の人々に見られる肺がんのサブタイプは高齢の成人とは異なることを示唆した2021年発表の先行研究の結果も引用している。
研究チームは、参加者の食生活パターンを全米の基準と比較するため、食事の質を1~100で評価する「健康的な食事指数(HEI)」を用いた。今回のサンプルにおける平均HEIスコアは65であり、全米平均の57を上回った。また、一般的に女性の方が男性よりも高いHEIスコアを示す傾向があった。
参加者は全米の成人平均よりも農産物や全粒穀物を多く摂取していると報告している。調査によると、参加者の1日あたりの摂取量は、濃い緑黄色野菜と豆類が平均4.3食分(全米平均3.6食分)、全粒穀物が3.9食分(全米平均2.6食分)であった。
USCノリスの腫瘍内科医であり、本研究の主任研究員を務めるホルヘ・ニエヴァ医学博士は、このパターンを「直感に反する」と表現し、一見健康的な食品に関連する環境要因が、若年かつ非喫煙者の肺がんリスクに寄与している可能性を示唆した。「我々の研究は、一般集団よりも質の高い食品を多く摂取している若年非喫煙者の方が、肺がんを発症する可能性が高いことを示している」とニエヴァ氏は述べ、さらなる証拠の必要性を強調した。
ニエヴァ氏とその同僚は、仮説として農薬の存在を挙げ、従来の方法で栽培された(有機栽培ではない)果物、野菜、全粒穀物は、他の食品カテゴリーよりも高い農薬残留量を含んでいる可能性があると論じている。また、農業従事者における日常的な農薬曝露と肺がん率の高さとの関連性を示した研究も、さらなる調査に値する手がかりとして挙げた。
研究チームは、参加者の農薬曝露量を直接測定したわけではなく、また摂取した特定の食品の検査も行っていない点に留意している。その代わり、幅広い食品カテゴリーにおける平均的な農薬レベルに関する公開データを用いて曝露量を推定した。ニエヴァ氏は、特定の化学物質がリスクに関連しているかどうかをより正確に評価するために、患者の血液や尿から直接農薬レベルを測定することが次のステップになると述べた。
本発表では、より広範な疫学的傾向についても記述されている。米国の肺がん全体の発症率は喫煙率の低下とともに減少しているものの、若年の非喫煙者、特に女性における肺がんの発症については、研究者の間で関心が高まっている。
研究チームの開示声明によると、本研究はアダリオ肺がん医学研究所(Addario Lung Cancer Medical Institute)およびその他の複数の機関から支援を受けており、米連邦政府の助成金(米国国立衛生研究所および米国国立がん研究所の助成金を含む)も受領している。ニエヴァ氏は、アストラゼネカ社およびジェネンテック社からのコンサルティング報酬を開示した。