米国食品医薬品局(FDA)に提出された報告書の広範なファーマコビジランス(医薬品安全性監視)分析により、セマグルチド製品の中でもWegovy(セマグルチド)において、突然の視力喪失を引き起こす可能性がある希少疾患、非動脈炎性前部虚血性視神経症(ION)の報告シグナルが想定以上に強いことが明らかになった。この研究はBritish Journal of Ophthalmology誌に掲載された。
研究者らは、2017年12月から2024年12月までにFDAの有害事象報告システム(FAERS)に提出された計3,060万件以上の報告を分析した。
そのデータセットの中で、セマグルチド製品に関連する報告は31,774件特定された。そのうち、Wegovyに関連する虚血性視神経症(ION)の報告が28件、Ozempicに関連するものが47件確認された。経口セマグルチド(Rybelsus)については、IONの症例報告はなかった。
自発報告データベースにおける潜在的な安全シグナルを検出するための標準的な不均衡分析手法を用いたところ、著者らはWegovyのION報告シグナルがOzempicよりも著しく強いことを報告した。この研究では、報告オッズ比はWegovyが約75、Ozempicが約19であり、シグナルの強さに約5倍の差があることが示された。
著者らは、FAERSの報告は薬剤が事象を引き起こしたと断定するものではなく、報告が任意でありメディアの注目やその他の要因に影響される可能性があるため、副作用の発生頻度を確実に推定できるものではないと警告している。著者らは、製剤や用量によってリスクが異なるかどうかをより詳細に評価するために、前向き研究を行う必要性を強調した。